試験制度も変わり、ますます論文式試験がポイントに
はじめにより

  「[演習問題式]弁理士になる最短合格法」が刊行されたのは2004年のことです。世の中の進展は早く、知的財産権に対する期待やそれを取り巻く状況も大きく変化しました。また、弁理士試験の制度も変わり、ますます最大の難所である「論文式試験」の位置付けが重要になってきました。そこで、論文式試験についてのページを大幅に増やしました。

  本書では、単なる弁理士の仕事の紹介や入門書に収まることなく、「論文の書き方」の基本フォームを習得できることを目指しています。今「弁理士の仕事」に興味を抱いた方がある程度勉強をすすめ、論文式試験の対策を考え始めたときの「手引書」にしていただければと思います。
 そのために、収録問題を大幅に増やし、「答案用紙に何を書けばよいのか」という指針となる「テンプレート」を新たに追加しました。なお、こうした論文式試験の対策部分は、勉強を始められて間もない方に限らず、論文の勉強で行き詰ったと感じている、ある程度勉強が進まれた方にとっても役に立つと思います。

  弁理士試験の受験に関する本というのは、試験合格が最終目的になっています。しかし本書は、資格取得後の成功までを最終目標として書かれており、それがそのままこの本の特徴となっています。さらに言えば、資格取得後に成功をするために、受験勉強はどのようにするとよいのか、言い換えれば、受験勉強の際にどのようなところを鍛えれば、合格後の成功を成し遂げるのに都合がよいのか、ということを書きました。

  今回の改訂ではネットと連動する本として編集しました。弁理士の本としてはおそらく日本ではじめてといえるのではないでしょうか。今後、受験に関する最新情報やイベント情報(たとえば本書の出版記念模試)を、ネット書籍サービスやホームページなどでお知らせしていきたいと思います。