日本では、模倣品や海賊版が、取り締まりの網を潜り抜けて輸入され、日本国内で流通してしまうことがあります。
模倣品や海賊版について、日本国税関では、水際での輸入差止め、また、警察では、国内での流通を取り締まっています。
しかし、商標権を侵害する商品の輸入および流通による被害は依然として後を絶ちません。
日本での商標の保護は、商標登録をしたうえで、差止め等の手続きをする必要があります。
財団法人 対日貿易投資交流促進協会 (Manufactured Imports and Investment Promotion Organization)(以下 MIPROと記載します。)は、知的財産権保護の活動の一部として、税関や警察の商標権を侵害する商品に対する差止・取締り活動を支援することを目的とし、「外国ブランド権利者名簿」を毎年作成し、外国企業の商標に関する情報を全国の税関、警察に無料で配布する活動をしています。
今年もMIPROは、日本国で商標登録を受けた外国企業の登録商標を掲載する「外国ブランド権利者名簿」への掲載商標の募集をしています。
当事務所では、外国所在の企業様および海外の代理人様向けに「外国ブランド権利者名簿」への商標掲載のお手伝いをさせていただいております。
なお、同名簿に商標が掲載されたことによる効果として、商標権者が税関に対して申請する、輸入差止申立て続きが不要になるわけではありません。しかし、同名簿によって、日本国税関や警察が自主的に商標権を侵害する商品を発見し、輸入差止や取り締まりを行うことを容易にするという効果があります。
また、商標権を侵害する商品が発見された場合の連絡先が掲載されることにより、日本国税関や警察が商標権を侵害する商品を発見し、自主的に輸入差止や取り締まりを行う際に、その連絡先に商標権を侵害する商品の発見を連絡することが期待されます。さらに、膨大な量の輸入品と接している税関の職員にとって、冊子形式の同名簿は、登録商標を認識し易く、商標権を侵害する商品の発見自体も容易になるものと期待されています。
以上のように、「外国ブランド権利者名簿」への商標の掲載は、税関や警察と、日本国内の総代理店・日本法人・特許事務所との間の連絡をスムーズにし、税関の輸入差し止めの活動や警察の取締り活動を迅速に処理するために役立つことが期待されています。
なお、MIPROは、通商産業省(現 経済産業省)と民間経済界により設立された非営利団体です。詳細はこちらのMIPROホームページをご覧ください。
1.「外国ブランド権利者名簿」への掲載対象となる商標について
掲載対象は日本国で商標登録を受けた商標となります。さらに以下の条件があります。
- 外国企業が日本国で商標登録を受けている商標が、同名簿の掲載の対象となります。
- 日本国特許庁で商標登録を受けている商標と同一の商標が、対象となります。
- 現在出願中の商標は、掲載の対象となりません。
- 日本で商標が使用されていなくても、日本で商標登録を受けている商標であれば、掲載の対象となります。
- 同じ商標について日本国特許庁に複数の登録がある場合は、1件のお申込みの中にまとめて掲載することができますが、異なる商標の登録番号をまとめて掲載することはできません。
- 電子データでお送りいただきました商標が日本国で商標登録を受けた商標と同一でない場合や、弊所とは異なるルートでMIPROに申し込み頂いている場合等には、申し込みをお断りすることもあります。
2.「外国ブランド権利者名簿」の掲載仕様
- 商標登録を受けている商標がカラーであっても、名簿に掲載される商標は白黒となります。
- 同名簿の巻末に「国内権利者名又は連絡先」の住所及び電話番号が記載されます。
3.申込期限および流れについて
MIPROではオンライン申込受付を行っています。
「連絡先」を弊所に依頼される場合など、弊所を経由してのお申込について、2011年10月30日までにお申込ください。
4.お申し込み方法および注意事項
2012年3月発行分の申込受付は終了しました。
- 同じ商標について日本国特許庁に複数の登録がある場合は、1件のお申込みの中にまとめて掲載することができますが、異なる商標の登録番号をまとめて掲載することはできません。
- ご送付いただく登録商標の電子データ形式はBMP・JPEG・GIF・AIのいずれかでお願いいたします。
また、日本国で商標登録を受けた商標と同一の商標についての電子データをお送りください。
名簿に掲載される商標は白黒となりますので、日本国で商標登録を受けた商標がカラーの場合には白黒化を図ったデータをお送りください。 - 日本国内に日本法人や輸入総代理店など、商標権を侵害する商品に対して、取り締まりの活動をしている企業がある場合には、その企業をご記入ください。ただし、日本国内に住所及び電話番号を有することが必要です。
その様な企業がない場合には、正林国際特許商標事務所をご指定いただいた場合、税関や警察から連絡を受けたときには、必ず、申込者の代理人様にご連絡を差し上げます。申込者の代理人様は、申込者(商標権者)様にご連絡をお願いいたします。
5.お申し込み費用について
- MIPROへの申し込み費用は、1件につき5,000円となります。
- 弊所手数料は、1件につき15,000円となります。
- 弊所でデータの加工を必要とする場合(日本国で商標登録を受けた商標がカラーの場合の白黒化など)には、別途1商標につき2,500円を請求させていただきます。
- ご請求書は、名簿(1冊)と共に申込者の代理人様にお送りいたします。名簿の送料は、上記2の弊所手数料に含まれます。
6.その他のご相談について
商標権者が税関に対して申請する輸入差止申立て続きにつきましては、弊所にて対応可能です。また、裁判所に賠償請求訴訟等の提起をすることができます。
その他にも、商標登録の手続きや、名義変更手続き、年金管理などにつきましてもご相談、ご依頼をお受けいたしております。