知的財産権の活用による地域活性化セミナー | 第1部 セミナー : 日本農業の現状と今後

平成19年11月19日 東北農政局にて行われた
「知的財産権の活用による地域活性化セミナー」 紹介ページ

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第一部 地域農作物とブランド、商標

日本農業の現状と今後
日本農業の現状  日本農業の現状は、国際化の波を受けて、安価な海外農産物の輸入攻勢から始まり、農業人口の減少、高齢化、自給率の急低下、という厳しい状況です。これらの基本にあるのは後継者問題です。 この後継者問題は農業人口の急減少といったことに繋がりますが、これは当然自給率の低下にも繋がります。
 とにかく若い人が農業をなかなかやりたがらないという問題があるかと思いますが、こういったことも、農業知財ということで解決できることかもしれません。これらについて、どのような考え方ができるかということが今日のテーマの1つです。

農業従事者数の変化出典:第55回日本統計年鑑(平成18年)
原典は、農林水産省大臣官房統計部経営・構造統計課センサス統計室
「農業構造動態調査報告書」

 今後、「量」で勝負することはまず無理だろうと思います。アメリカのトウモロコシ畑はスゴイですね。私も行ったことがありますが、地平線のかなたまでずっとトウモロコシ畑です。そこと「量」で勝負するのは無理です。「質」で勝負するしかありません。
 皆さんが普通に食べている梨や桃などは日本にしかないもので、外国人に食べさせるとすごく喜びます。外国で梨といいますと当然西洋梨ですけれども、日本の梨を食べさせると、「りんごの味に似た梨だ!」と喜びます。このように、外国人に家に来てもらったときに梨や柿などを出すと非常に喜ばれます。しかし、日本人からすれば日常的にあるものですから、とても価値のあるものとは思えないのです。
 日本の米にしても外国からの米の攻勢にさらされているわけですが、自分たちのこの米は外国人が高い値段でも買って喜んで食べてくれているということがあまり知られていないので、ただ単に怖がっているという状況です。
 やはり日本独自の物というのは、このように後回しになり、自覚されにくいということがあります。実際に、自分たちの周りにある空気、これがなくては生きてはいけないわけですが、たまたま空気が汚れたりすると、あぁ、空気ってありがたいなぁと思います。こういうことでもない限りはありがたみを感じないわけです。食べ物というものは、あまりにも身近なものですから、その価値になかなか気づかないというところが悲劇的な面ですね。
 従って、農産物に付加価値をつけるといっても何のことかわからないのですね。ですから自分たちが作っているものには価値がある、この自覚から始まるわけです。