知的財産権の活用による地域活性化セミナー | 第2部 事例紹介およびパネルディスカッション : 「だだちゃ」商標を維持する努力

平成19年11月19日 東北農政局にて行われた
「知的財産権の活用による地域活性化セミナー」 紹介ページ

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第2部 事例紹介およびパネルディスカッション

「だだちゃ」商標を維持する努力
 「だだちゃ」商標の独占的使用権というところにつきましては、JA鶴岡はずっと後から共同販売をするということで集荷を始めました。元々は農家の皆さんが個人で町に売りにいったり、あるいは、グループの方々が地元の市場に持っていったりということで、先行されていたわけです。後からJA鶴岡が商標権をとったということになれば、正林さんから先ほどお話あったように、他の人たちが「だだちゃ」って使えないの?という話に当然なってくるわけです。しかし、そこでそういうことはJA鶴岡では一切考えませんと行政のほうに呼びかけをしまして、平成11年に「だだちゃ豆生産者連絡協議会」というものを設立していただきました。事務局窓口は鶴岡市の市役所です。
だだちゃ豆「だだちゃ豆」は
産地鶴岡の登録商標です。
 だだちゃ豆をグループとしてあちこちに販売しているという組織、我々JAを含めて今9組織がこの連絡協議会に入っています。そして「だだちゃ豆」という商標シールを商品にいれています。そのデザイン色は、JA鶴岡のだだちゃ豆専門部の方は金色地に青色、JA鶴岡以外の方は赤色地に紫色というように色分けしています。連絡協議会に入っている方々は、どうぞ自由に「だだちゃ」という名前を使いましょうということになりました。これは商標権者の方からもご理解をいただいております。
 それからもう1つ、協議会に入っていない個人の方はどうなの?ということですが、現在は6市町村が合併をして大きな鶴岡市になったのですが、あくまでも旧鶴岡市、これはJA鶴岡の事業区域と全く一致しておりますが、この旧鶴岡市の生産者の枝豆については「だだちゃ」と名乗っていただくことには問題なしとしています。

旧鶴岡市

 鶴岡市は大きく合併しました。JA鶴岡は広域合併には入りませんでしたが、お隣にJA庄内たがわという大きな合併農協があります。その合併農協は新鶴岡市の区域を含んでおり、そちらの方も「だだちゃ」を使わせてくださいと言うことが、度々JA鶴岡に来ております。しかし、どうも旧鶴岡市の外にいっただだちゃ豆というのは味がワンランク下がるといった感じで難しいのです。JA鶴岡の場合は、種子管理まで徹底的に専門部でやっています。ところが、どこから入ってくる種を使っているかさっぱり分からない、種の管理がされていないところに同じ「だだちゃ豆」ではまずいという話で、現在は、合併新市の中でも「だだちゃ」を使えるのは旧鶴岡市の地域のみ、その他のところはダメですとしています。JA庄内たがわさんでは「庄内ちゃまめ」という名前で販売をされております。単価は1kg当たり600円から700円ぐらいです。それでも高いのですが「だだちゃ豆」の1000円という市場価格からみると若干落ちます。
 ですからこのだだちゃ豆生産者連絡協議会というところを核にしながら、この商標については十二分に活用させていただいているということになります。まがい物という話がありましたけれども、鶴岡以外からのだだちゃ豆が平成12、3年ごろに出てきました。お客様からのクレームがなぜかJA鶴岡に来るのです。 「こんなのだだちゃ豆じゃないよ」と怒られました。また情報を東京のお客さんがJA鶴岡に流してくれました。早速全農さんを通じてその地域の経済連にご注進を申し上げて翌日から販売中止です。そういう形にとらせていただきました。何箇所かそういうところがございます。その辺、商標というものについて、活用もあるけれども、いかに守っていくかというところを、我々も何回か経験をしています。

だだちゃ豆アイスクリーム「だだちゃ豆アイスクリーム」 JA鶴岡

 また、だだちゃ豆の加工品もたくさん出回っています。これにも線を引きました。JA鶴岡あるいは旧鶴岡市の生産者から原料が供給されて加工品にするものであれば、「だだちゃ」の名前を使っていただいてよいですよ、というようなことでお話を申し上げております。ただ最近、全くだだちゃ豆を使わないでだだちゃ豆加工品を名乗っている商品がずいぶんあるようですので、この辺については再検討が必要かなと思っているところです。

 以上、これまでの取り組みを紹介させていただきました。