知的財産権の活用による地域活性化セミナー | 第2部 事例紹介およびパネルディスカッション : 差別化と農作物

平成19年11月19日 東北農政局にて行われた
「知的財産権の活用による地域活性化セミナー」 紹介ページ

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第2部 事例紹介およびパネルディスカッション

差別化と農作物
福井氏
 ありがとうございました。今度は正林さんに伺います。
 田沢さん、佐藤さんの話しを伺って、佐藤さんをはじめとする農家の方々が、プライド、非常に強い地域に対する誇りと、自分の作ってらっしゃるものに対する誇りが、基本的にありますね。そこからJAさんがバックアップをされて、1つの大きな体制を作られていると思います。その中で種のお話を伺いました。田沢さんから旧鶴岡の行政区と、生産の圃場の関係がほとんどイコールだと伺いました。おそらくその土壌によって、あるいは気候風土によってすごく差が出るものですよね。その辺りの関係、種と土壌についてうまく調べることによって、だだちゃ豆の定義として新しい方向性みたいなのが作れないのかなと思ったのですがどうでしょうか。

正林氏
 それはできないことはないと思います。化学的に分析すれば何とかなると思うのですが、はたしてどうでしょうか。知的財産、商標や特許と言っていますが、根本にあるのは、差別化なんですね。他とどう差別するかという話でして、差別化できていればその部分に必ず知的財産があるということなのです。差別化ということですから、要するに差別化は小さければ小さいほどよいわけです。また、貴重になれば貴重になるほど価格は上がるのですが、その一方で作付面積を増やさなくてはいけない。この兼ね合いです。だから商標というのは、本当は大量生産に向くものなのです。1個や2個作るのであれば良いのですが、たくさんあるからマークがないと買わないということです。皆さんもマークがないものを買わないと思います。不気味ですね。野菜でも、例えば無人販売所で、この人が作っていると分かれば買いますけれど、スーパーで何もマークがないのは買うのをためらうと思います。だから、大量生産で目印がないものに目印つけたというのが商標なのです。その一方で差別化ということがあって、農産物についてはそういったことの兼ね合いが難しいですね。
 私は例えば今のこの具現性が分かったとします。分かったとして、果たして工夫して大量に作るのがよいのかどうかというのは分かりません。ある程度、量は限りがあってよいと思います。無限大に作れるわけじゃないですからね。先ほどの話のように、量が多かったら暴落した、まがい物も出てきた、ということであれば、意図的にある程度、作付面積をこれ以上にはしないということも必要かと思います。