知的財産権の活用による地域活性化セミナー | 第2部 事例紹介およびパネルディスカッション : だだちゃ豆を安定して出荷する努力

平成19年11月19日 東北農政局にて行われた
「知的財産権の活用による地域活性化セミナー」 紹介ページ

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第2部 事例紹介およびパネルディスカッション

だだちゃ豆を安定して出荷する努力
福井氏
 今、体制の内部のお話を伺いましたが、京浜の中卸さん、仲買さん、小売屋さん、あるいは、農業者の中でも直接インターネット等で販売されたりしているケースがたくさんあると思うのですが、その辺りとの協定のようなもの、あるいは価格的なラインを決めていたり、なにかルールみたいなものはあるのでしょうか。

田沢氏
 今、だだちゃ豆については青果市場、中央卸売市場の8社を指定市場ということで、「まるつる会(まるつる会)」という会を作っていただいています。ヨーカ堂さんですとか、イオングループさんとか、様々な大手量販との取引の中で、例えば中央市場1社ではとても間に合わないという広がりもあるわけですので、8社の方々には年に何回も集まっていただいて、いわゆる販売戦略会議というものをやっています。何処の量販に、あるいはスーパー、生協に、これだけの量を回しますという情報を、すべてあげていただいております。
 契約は量の契約です。価格の契約はできません。一部の生協さんですと共同購入の場合に価格契約できますけれども、ほとんどは量の契約で、いつの時期にこれだけの量を、あなたの所に出しましょう。そのためにはどの量販、あるいはスーパーにこれだけ出荷するという情報を、こちらまで上げていただいています。それは市場からいわゆる一般の委託販売ではなくて、買い付けをしていただくというやり方です。すると、手数料のメリットとともに、我々産地としては、行き先が分かります。市場で止まるのではなくて、その行き先が分かるという形をとっていただいて、できるだけバッティングをしないように、それぞれ8社で住み分けをしてもらうというようなことをしております。そのために市場のバイヤーだけでなく、その先の量販店や生協バイヤーさんからも産地に来ていただいて直接商談をすすめるといった取り組みをここ数年強めております。
 そのような取り組みで、単なる市場への委託販売ではなく、買い付けでやってもらっているのが約6割まで増えました。この取り組みは事前相対取引と言っていますが、安定的・計画的な出荷ができるように生産者の方々にも、定時定量の平準出荷を呼びかけています。
 今は流通のラインが様々ありますが、全体の9割は市場流通、あと残りはDM・インターネットなどの直販となっており、圧倒的多数はまだ市場流通です。8社の皆さんには、このだだちゃ豆に惚れてもらい、積極的に売り込みをかけていただいています。

福井氏
 生産者と流通がタッグを組んでいる感じですね。
 佐藤さん、ちょっと意地悪な質問をひとつします。そうやって価格が非常に評価されて高くなったわけですね。今も直販されていますよね。そうすると、「昔より高くなって買えないよ」と地元の方々の声というのはないのでしょうか。

佐藤氏
 それは聞きません。私は、枝で1.1キロ、莢では600グラムというので、価格にして800円とつけているのですが、これはずっと何年か続いています。一番初めに看板を立てたときに、「日本一美味しい枝豆」という看板を立てたんです。そうしたらみんな、いつでも日本一おいしい枝豆というように使われているようです。

福井氏
 ありがとうございました。今の件で田沢さんどうぞ。

田沢氏
 だだちゃ豆というのは、元々地場高なんですね。東京に出したときに最初の頃はキロ200円とか300円しかつきませんでしたが、地場では1000円ついているわけです。だから農協に集まってこなかったわけです。そういった面もあって、農協の努力というのはキロ1000円上を目指す努力でずっときました。佐藤さんあたりはちゃんとお客さん単価がついていますが、束で1キロ1000円、1200円と売る方もいらっしゃるわけです。ですからそういう特殊事情が、だだちゃ豆にはあったということです。